葦手入力の打鍵は、「字母」と呼ぶ打鍵の単位によって構成されます。字母は仮名「アイウエオ カキクケコ サシスセソ タチツテト ナニヌネノ ハヒフヘホ マミムメモ ヤユヨ ラリルレロ ワヲ ン」の46個です。
漢字の字形を構成する細かい一つ一つの要素を「字素」と呼ぶことにします。字素は葦手入力において漢字を分解して得られる字形の最小単位です。たとえば、「口」「氵」「力」「宀」「儿」「丶」「一」「大」などです。
一つ一つの字素は、その形に近い字母に対応づけされています。たとえば、字素「口」なら字母「ロ」、字素「氵」なら字母「シ」、字素「宀」なら字母「ウ」、字素「丶」なら字母「ン」、字素「大」なら字母「ス」などです。
漢字をバラバラにして字素まで分解し、その中から特定の位置にある字素を五つまで取り出して、それを字母に変換して得られた仮名が、その漢字を入力するための打鍵になります。たとえば、「品」なら「ロロロ」、「役」なら「ノイルヌ」、「密」なら「ウヲキヲ」、「割」なら「ウロリ」などです。
葦手入力の字素は230前後あります。これらを組み合わせることで漢字約2万字を自在に入力することが可能です。
片仮名46字をそのままの形で、それら230前後の字素の全てと対応づけることはできないので、字素に字母を振るに当たっては、片仮名の形を変形させたり、関係する形をひとまとまりにしたり、連想を働かせたりすることによって、1つの字母に複数の字素を当てることとします。
また、次のように、片仮名の形そのものではなく、それと関係する他の字形を元にして、字母と字素とを結びつけたものもあります。
(江)、キ:
(幾)、コ:
(己)、シ:
(之)、マ:
(万)、ヲ:
(乎)、ン:
字母ごとに当てられた字素の一覧です。それぞれの字形と、その一例を示します。括弧内は定義上の記号です。
| ア | (了0)子:アヘ |
(HGSG)予:マア |
(㇌0)部:ユロアシ |
(卩0)令:ケア |
(刀0)初:ラムア |
(丫0)齊:ユアヘニ |
| イ | (亻0)仁:イニ |
(PS)丘:イエ |
(𠂆0)后:イヘロ |
(PSP)飛:レンシレン |
(人0)人:イ |
(PN)金:イモソ |
(入0)込:イシ |
(㐄0)韋:ヤヘロイ |
(井0)丼:イン |
(HHSS)寒:ウイスン |
| ウ | (宀0)宇:ウテ |
| エ | (工0)江:シエ |
(DTPD)兆:ルエ |
(HHHH)皐:ノヨエキ |
(PPNN)鰥:クツコリエ |
| オ | (才0)材:ホオ |
(扌0)投:オルヌ |
(HHSG)手:ノオ |
(HHSP2)看:ノオコニ |
(HBXGP)戒:オサ |
| カ | (力0)加:カロ |
(HZGS)也:カレ |
(尸0)尼:カヒ |
(HZHS2)官:ウカコ |
(HZHS3)- |
| キ | (HHS)牛:ノキ 車:キヨ |
(十0)叶:ロキ |
(HBXG)氏:ヒキ 代:イキ |
(BXGP)曳:ヨキ 必:ヲキ |
| ク | (𠂊0)色:クタレ |
(勹0)勾:クム |
(SZWG)号:ロヘク |
(PWG)豕:ヘクニレ |
(PWG2)犯:クノヤ |
| ケ | (PHD)览:リケワル |
(PHH)汽:シケレ |
(PND)食:ケヨム |
(PNH)合:ケロ |
(个0)- |
(竹10)竺:ケニ |
| コ | (HZH1)巨:ヒコ |
(凵0)凶:メコ |
(囗0)※回:コロ 中:コシ |
(PZHZG)母:コヘン |
(PZHZG)貫:コキコニハ |
(〇0)〇:コ |
| サ | (卄0)甘:サニ |
(廾0)升:ノサ |
(艹0)莫:サヨス |
(HSHS)雈:サイユヘ |
(䒑0)前:サタリ 並:サリサ |
(PDH)楢:ホサルヘ |
(SSH)皿:ワサ |
| シ | (氵0)江:シエ |
(辶0)迄:トレシ |
(辶0)近:イマシ |
(PPN)登:ヲシヘロサ |
(丨0)串:ココシ |
| ス | (HGD)泾:シスエ |
(大0)太:スン |
(HPN)丙:スワ |
(HPN2)基:サニスセ |
(HPD)其:サニス |
(HSS)耳:スミ 要:スコレナ |
(丌0)畀:コキス |
| セ | (七0)切:セア |
(土0)圭:セセ |
(士0)仕:イセ |
(廿0)革:セコキ |
(HSSH)共:セハ |
| ソ | (丷0)米:ソホ |
(DD2)心:ルソ 図:コソメ |
| タ | (夕0)名:タロ |
(HZSH1)巴:タレ |
(PHPDT)炙:タソイ |
(月0)明:ヨタ |
(SHZHH1)且:タヘ |
(SHZGHH)甫:キタン |
(PPDD)受:タワヌ 豹:タニクン |
(PDDP)受:タワヌ |
| チ | (PHSP)刋:チリ |
(千0)舌:チロ |
(干0)刊:チリ |
| ツ | (DDP)巣:ツヨホ |
(PDD)恭:セハノツ |
(灬0)然:タスツ |
(SPD)尙:ツワロ |
(SDP)尚:ツワロ |
(小0)京:ユロツ |
(川0)訓:ユロツ |
(SSS)- |
(巛0)巢:ツヨホ |
(𫶧0)荒:サユレツ |
| テ | (亍0)行:ノイテ |
(于0)宇:ウテ |
(HHSP1)无:テレ |
| ト | (卜0)朴:ホト |
(⺊0)占:トロ |
(SH)卝:トト |
(𠂉0)矢:トス |
| ナ | (𠂇0)右:ナロ |
(HSG)寸:ナン |
| ニ | (二0)夫:ニイ |
(PP)豕:ヘクニレ |
| ヌ | (又0)友:ナヌ |
| ネ | (礻0)神:ネヨシ |
| ノ | (丿0)入:ノヘ |
(SP)皮:ヤノヌ |
(㇢0)乄:ノン |
(亅0)水:ノフレ |
(WG)豸:タノニ |
| ハ | (八0)兼:サヨリハ |
(八01)公:ハム |
| ヒ | (匕0)比:ヒヒ |
(PST)卯:ヒノア 氏:ヒキ |
(HSZ)牙:ヒノノ |
(SZH)卿:ヒノノヒア |
(SHH)暇:ヨコヒヌ |
(匚0)匠:ヒイマ |
(匸0)匹:ヒル |
| フ | (HZP)水:ノフレ |
(乛0)疋:フトイ |
(HZ)丑:フセ |
(HZG)幻:レムフ |
(丆0)石:フロ 不:フト |
(厂0)反:フヌ |
| ヘ | (乀0)入:ノヘ |
(乁0)- |
(一0)豆:ヘロサ |
(㇀0)刁:フヘ |
(HZZ)凸:ユヘコ 凹:ヘマコ |
(HZT)论:ンヘイヒ |
(HSWZ)卐:ヘヘ |
(SWZZ)卍:ヘヘ |
(SZZ)呉:ロヘス |
(SWZZP)睂:イヘコニ |
(SHSZZ)亞:ヘヘヘヘ |
(SZZHS)亞:ヘヘヘヘ |
(SWZZZ)-(𡚇) |
(SZZHSWG)龍:ユタヘヘミ |
(SHZHSHZG)擕:オイヘヘ |
| ホ | (木0)林:ホホ |
(朩0)殺:メホルヌ |
(𣎳0)鉥:イソホ |
| マ | (龴0)予:マア |
(HGN)祭:タマニツ |
(丅0)斤:イマ |
(丁0)打:オマ |
(HS)馬:マキフツ 骨:ワマワタ |
| ミ | (三0)非:リミミ |
(彡0)杉:ホミ |
| ム | (厶0)允:ムル |
(SHD)虫:コム |
(SHD)專:キヨムナン |
(STPN)艮:ヨム |
(SPD2)初:ラムア |
| メ | (乂0)交:ユハメ |
| モ | (乇0)宅:ウモ |
(HHST)钉:トモマ |
(HHSWG)毛:ノモ |
(HHSZ)虐:トセモ |
(HHSZ2)虐:トセモ |
(SHHH)長:モヘム |
(PSHH)印:モア |
(PSHH2)段:モヘルヌ |
(王0)理:モヨセ |
(壬0)廷:モラヘ |
| ヤ | (HGS)皮:ヤノヌ |
(HZS)韋:ヤヘロイ 五:五 |
(巾0)吊:ロヤ |
(㔾0)厄:フヤ |
| ユ | (HZH2)決:シユイ |
(丄0)止:トユ |
(SWZ)淵:シリユマ |
(亠0)辛:ユサキ |
(亠01)言:ユニロ |
| ヨ | (HZHH1)急:クヨルソ |
(HZHH2)-(興學) |
(彐0)緑:レツヨノエ |
(⺕0)庚:ラヨイ |
(日0)明:ヨタ |
(SHZSH)象:クヨクレ |
| ラ | (DHZ)之:ラヘ |
(广0)床:ラホ |
(HZZZ)廷:モラヘ |
(HZZZG)乃:ラノ |
| リ | (DSP)帰:リヨワヤ |
(DS)州:リリリ |
(刂0)刈:メリ |
(SS)鹿:ラコリヒ |
(SSP)兼:サヨリハ |
(SPS)非:リミミ |
(SPSG)赤:セリハ |
| ル | (儿0)元:ニル |
(DBXG)心:ルソ |
(几0)亢:ユル 風:ルノコム |
(𠘧0)役:ノイルヌ |
| レ | (𠄌0)民:コレキ |
(㇗0)直:キコニレ |
(㇄0)亡:ユレ |
(乚0)札:ホレ |
(PZ)綠:レツレユエ 互:ヘレユ |
(𡿨0)糸:レムツ |
(PN2)承:アミフレ |
(XG)鼠:モヲレンレ |
(乙0)乞:トレ |
(乙01)迅:レキシ |
| ロ | (口0)※古:キロ |
| ワ | (冖0)受:タワヌ |
(SHZ)皿:ワサ |
(冂0)冊:ワサ |
(SPHZG)用:ワキ |
(SHZHH2)黽:ワレシヨ |
| ヲ | (HZPD)登:ヲシヘロサ |
(HZH3)臼:モヲ |
(丩0)叫:ロヲ 収:ヲヌ |
(丬0)状:ヲス |
(山0)仙:イヲ |
(SZSS)出:ヲコ |
(屮0)逆:サヲシ |
(DDD)必:ヲキ |
(PDP)釆:ヲホ 乎:ヲナ |
| ン | (冫0)冷:ンケア |
(DD)斗:ンキ |
(PD)飛:レンシレン |
(丶0)玉:モン |
葦手入力の字素を選び出すに当たっては、CJK統合漢字の基本セットの漢字を全て分解していき、そこに現れた要素の中から、以下のような基準によって、字素に立てるべきものを決めました。
=ケ、
=ム)
=ム…專惠)
=ヲ…釆禾)